ぶっ飛び大名【佐々木道誉】香道の始祖

室町時代の大名【佐々木道誉】はご存知ですか❓
彼は婆娑羅(ばさら)大名として有名ですが
香道の始祖としてはあまり知られていないようです。
【佐々木道誉】のぶっ飛んだ生き方をここでご紹介しますね。

婆娑羅大名とは❓

婆娑羅の意味は奇抜、派手、傍若無人と言われています。
身分秩序を無視し、実力主義であり
公家や天皇といった名ばかりの権威を軽んじて嘲笑、反発し
派手な振る舞いや粋で華美な服装を好む美意識でもありました。
新薬師寺の薬師如来像を取り囲む十二神将の一つ「ばさら大将」は
髪を逆立て瞳をランランと輝かせて怒号しています。

豪快なお花見

南北朝時代【佐々木道誉】はライバルである斯波高経が
主催する花見に出席を申し入れますが、当日に欠席の連絡をします。
そして別の場所で自身が豪快な花見の主催をします。
その花見には多くの京の貴人、芸人を呼び、
大きな桜の木の前に真鍮の花瓶を置き、桜の木を立花に見立てます。
そこに大きな香炉でひと抱えもある名香を焚き上げます。
その見事な香りは風に乗って、京の人々は極楽浄土にいるような気分になったと
「太平記」で伝えられています。

香道の始祖【佐々木道誉】

【佐々木道誉】は豪快な花見でもわかるように
後の華道の発展に寄与し、さらに香道においても
大きな影響を及ぼします。
【佐々木道誉】の香木コレクションは177種類あったと言われます。
室町幕府八代将軍の足利義政に引き継がれ、
東山文化から香道の成立に大きく貢献したといわれます。
香道の始祖は三条西実隆と多くの資料に記されていますが
実は【佐々木道誉】という説があります。
華道、連歌、能楽についても造詣が深く
ただのぶっ飛びな婆娑羅大名ではなく、
文化人として粋な婆娑羅大名でもあったと思われます。