【蘭奢待】のヒ・ミ・ツ
NHK「麒麟がくる」で織田信長が
蘭奢待(らんじゃたい)を切り取るシーンが
印象に残りましたよね。
この香木蘭奢待(香木)についてお話しましょうね。
【蘭奢待】は日本一の香木
蘭奢待は東南アジアで産出され
奈良時代に聖武天皇の手に渡ってきたと
伝えられています。
長さ156センチ、重さ11.6キログラム
見た目は流木のようですが
日本で一番有名で価値の高い香木です。
【蘭奢待】は権力の象徴
蘭奢待には切り取った跡が残っていて
三枚の付箋が貼られており、
足利義政、織田信長、明治天皇が切り取ったと
伝えられていますが
実際には50箇所以上余り切り取られた痕があり
蘭奢待を切り取る事は権力の強さを世に示す行為
でもあったようです。
【蘭奢待】には東大寺が入ってる⁉
蘭奢待の正式名称は黄熟香(おうじゅくこう)ですが
奈良時代の聖武天皇が
天下の平安を願って東大寺を建立したときに
「蘭」という字の中に「東」
「奢」の中に「大」、「侍」の中に「寺」を
「東大寺」の名を隠した雅名としました。
約1200年たった今もこの香木は
伽羅に近い香りを放っているそうです。
天下人も切望した香りの極地は
「香りを聞く」とも表現されています。
どんな幽玄な香りなんでしょう。
東大寺の正倉院に所蔵されていますが
時には公開もあるそうです。